【東京新聞】より 虐待通報の職員訴えられる(埼玉と鹿児島の事例2件)

実家から新聞をもらって、記事を探してみた。

(さいたま市)NPO法人 就労支援施設
元職員(当時在職・42歳女性)が、上司による以下の虐待を目撃した。
知的障がい者利用者2名の裸の写真を撮って、他人の携帯へ送信。
送迎バスに利用者を閉じ込める。利用者の頭をコンクリートに打ちつける。
職場のPC内に、利用者の裸の画像を保存する。

上司のこのような虐待を、まずは管理者へ訴えたが、相手にされなかった。
元職員は施設を辞めたのち、さいたま市へ通報した。
監査が入り、虐待が認定され、施設は改善勧告を受けた。

嘘の通報がもとで、施設の収入が減って損をしたとして、施設側は、元女性
職員に対し、672万円の損害賠償を求めている。


(鹿児島市)営利法人 就労支援施設
元職員(48歳男性)が、施設利用者から「頭を叩かれた」という訴えを受け
多数の目撃証言をえて、鹿児島市へ通報した。
元男性職員は通報したことにより、職場で不当な扱いを受け、自分から辞めた。
施設は虐待を否定し、男性が嘘をついているとして、110万円の損害賠償を
求めている。

ここまで新聞記事概略。

虐待は、身体的な暴力だけを言うのではない。
言葉の暴力、差別、強要、無視、放置、経済的虐待(生活保護を受けさせない
預金を故意に浪費させる、借金を負わせる)なども「虐待」である。
おかしいと思った人は速やかに通報するように周知されている。
障がい者虐待防止法によって、訴えた人を不当に扱うことを禁じている。

なぜ虐待がおこるのだろうか。
認知症高齢者や知的障がい者(中度~重度の人)を狙って、卑しい人間が群がる
からだと私は見てきた。管理者の人格次第で、社風が卑しくなる。
部下は社風に習っていく。知的障がい者を道具のように利用して儲けていく。
利用者を都合よく動かそうとすれば、虐待はおこる。

しかし、老人の虐待はニュースになるが、知的障がい者の虐待は表面化しにくい。
今回は、逆恨みして損害賠償を求めたので目立って公になった。

虐待がなぜ表面化しにくいのだろうか。
障がい特性ゆえに、自分の意志判断で訴えられない。保護者にも伝わりにくい。
虐待する側は、特性につけこむ。上司は役所OB天下りだったりすると、まず
まともに取り合わない。通報しても、役所とツーカーでもみ消されることも。

役所は通報した人を保護しないのだろうか。
通報した人は、名前を伏せられ、不利益を被らないように守られるはず・・・だが、
上司が役所OB天下りだったりすると、筒抜けになり、やがては目の敵にされ、
パワハラを受けて、自分から辞めるように仕向けられていく。

さいたま市の女性職員も、鹿児島市の男性職員も、障がい者を守ろうとしたら
訴えられた。私も類似した経験があるので、心から気の毒に思う。
女性職員の方はもしかして、変態上司から「セクハラ」も受けていたのでは?
管理者が取り合わない苦しい状況もほんとにわかる、わかる。

営利も非営利も、「障がい者就労支援」はじゃんじゃんできている。
そして、就労支援仲介役の「相談支援事業所」の実態もひどい。
「就労支援・生活支援センター」にいたっては、税金泥棒だと思っている。

今回はじめてこうして、でかでかと記事になり、良かったと思う。
2人には、圧力に負けないで、堂々と貫いてほしい。

★私の実体験に基づく、ぶちまけたい業界ネタは、また別な日に。